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Diary for biz-launchers



この日記はパパ(このサイトの運営者)の後進であるソフトウェア業界のBiz-Launcher(立ち上げ屋さん、仕掛け人)のための日記である。パパが従事する日本のソフトウェア産業は欧米と比べて非情に遅れをとっている産業である。資源立国ではない日本にとって、人を資源とするこの産業は伸ばすべき産業である。日本のソフトウェア産業が海外に対抗するために必要不可欠なBiz-Launcher。その後輩のために、少しでも参考になればとこの日記を徒然なるままに書き始めることにする。                  
                                  DotingPapa 2005/01/08


'05.04.05
自分本位なサービス


 今日は自分本位と顧客本意に関して、徒然に書いてみようと思う。
 面白い話だが、どんなに高飛車なビジネスをしていると評価されている会社でも担当レベルでは、「自分は顧客の事を第一に考えてサービスをしている」と思い込んでいる。自分はどうかと考えてみれば、ひょっとしたら自分も自分本位でサービスをしているかもしれない。おそらく、どんな人間でも多少なりとも主観と自尊心は絶対に存在するので、かならずどこかに「自分本位」は潜んでいると思う。

 この「自分本位」を排除することがサービス品質の向上に確実につながると思う。Biz-Launcherにとって、この品質向上が、ミッションクリアに直結はしないが、必ず状況を好転させる基本部分であることは間違いない。契約先の会社のサービスが顧客本意に提供され、顧客から評価されれば、口伝、リピート・オーダーなどで、必ず売り上げに跳ね返ってくるからである。

「顧客本意のサービス」は重要。

そんな話は誰でも分かっていると思う。ここでは、そこからもう一歩踏み込んだ内容に触れたいと思う。どうやったら「自分本位のサービス」を見つけることが出来るか、自分の経験と独断で書いてみたいと思う。

下記項目で当てはまる部分があれば、その会社には自分本位のサービスが存在していると思う。

□メールでのサポート業務が必ず定時に終了している。
□営業、マーコム部門の業務がいつも定時に終了している。
□ホームページに専門・技術用語が多い
□ホームページが分かりにくい(コンテンツが付け足し付け足しでつぎはぎで作られている)
□顧客満足度向上のための提案をすると「そこまでやら無くても良いと思います」という私的感情が含まれた否定的な発言が出てくる。
□営業部門メンバーが朝、会社にいない
□営業マンが使用している提案書がいつもワンパターンである
□顧客の意見を自社サービスに取り入れていない

等など上げればきりがないので、この辺で止めておくようにするが、実際に多くの企業で当てはまっていることが多いのではないかと思う。しかし、一流企業といわれているような企業ではどうか?実際にほとんど当てはまらないのではないかと思う。では、一流企業と二流企業の違いはなんであろうか?

私は「人材品質の差」であると思う。

私はそこそこ大きな企業から社会人人生をはじめたが、いろいろなベンチャー企業の仕事をしていくといかにいろんな人間がいるかを思い知る。突然行方が分からなくなることもあるし、虚偽の報告もある。前日まで仕事が進捗しているような報告をしておいて、期日になって「実はやってませんでした」なんていう報告があったり、良い事しか報告しなかったり、メールに対して返信をしなくて、仕事の依頼が伝達したかどうかもわからなかったりである。

こういう状況に直面した際に、Biz-Launcherとして人員を全面的に入れ替え、人材の品質を上げると言う事も方法としては存在するが、そんな提案は人事部の仕事でありBiz-Launcherの仕事ではないし、仮に実現しても状況はあまり変わらない。何故なら、仮にどんなに優秀な人間に見えても、ベンチャーに在籍している、もしくは在籍しようとしている時点で、どこかアウトローと言うか、変わり者であることが多いからである。

所詮、Biz-Launcherが請け負う仕事は、人材がいない真っ白なキャンパスのような仕事か、転換期にさしかかり、既に良い人材が流出したあとのような仕事しかないのである。

ここは腹をくくって、持ち駒で勝負をかけるしかないのである。

では、どうすれば良いか?

私はその解は下記であると考える。

1.「理由づけ」と人員の精査
 仕事において「なぜ、そうしなければならないか」そして「その作業の対価として給与が支払われていること」の徹底する。これが理解できない人間は去っていただく
2.手本を見せる
 自ら現場作業を行い、手本を見せる
3.信賞必罰
 良いこと悪いことを明確にする。

なーんて、堅いことを書いてしまったが、こういう話は、著名な本などにも多く記載されているので、私の話よりそっちの話を読んだほうがはるかにためになると思う。よって、ここでは直球的な自分なり解を書こうと思う。

私的な解としては、「喧嘩」であると思う。
自分に甘えて自分本位なサービスを平気で行う相手には本気でぶつかって、理解してもらうしか方法は無いと思う。しかし、実戦ではそういった自分本位な人間が多数派を占めている事が多いので、大勢を相手にするのは結構大変である。そういった場合に必要となるのはやはり、自分自身を徹底し、作り上げた強い信念をもって、相手の心を動かすことが一番上策と信じている。

では、その信念はどこから生み出すのか?どう活かすのか?
この続きは次回で触れたいと思う。



'05.02.20
時間の流れと市場隆盛の判断

 まず、時間の流れについて触れてみたいと思う。
 Biz-Launcherの仕事は市場を動かし、契約先の企業の利潤をあげることである。市場は仕掛けている側が予想している以上に、進みは遅い(時間がかかる)。この時間を見誤り、戦略を簡単に転換してしまうと、戦略収拾、戦略転換、戦略開始のためのロスが起こり、短期決戦の場合は、目標を達成することがほとんど出来なくなる。よって市場の動きの見極めは細心の注意が必要である。

 よく陥りやすい状況を下記に記載することとする。

◇ 戦略効果が弱く、経営陣が我慢できない場合
 戦略を展開してはみたものも、効果がなかなか現れず、第三者の意見を取り入れ、戦略を転換してしまうケース。経営者も何が真実か分からない状態になり、年配のご意見番に意見を求めるケースが多い。年配者は新しいことに対する抵抗が多く(改革を肯定すれば、自分の経験や、自己否定につながることが多い)、Biz-Launcherの敵対勢力になることが多い。

◇ 担当者が同じことの繰り返しに我慢が出来なくなり、新しいことを始めてしまう場合
 「去年は、これをやったから、今年はこっちをやろう」というような担当者が「新しいことを行わなければ市場は切り開けない!」と思い込み、戦略を転換してしまうケース。今まで行った企画でも効果があるなら、また次の戦略のベースになるなら続けるべきである。基本的には戦略は発展させるべきで、容易に転換すべきではない。

◇ 担当者が変わり、前任者を否定して自分自身をアピールし始めた場合
 後任者の実力がないがゆえに、前任者を完全否定して自己アピールのために戦略を転換しようとするケース。戦略展開において、全ての戦略が誤っている事はあまりない。

 上記のケースにおいて、「必ずしも・・・」と言うことは絶対にない。本当に戦略が180度間違っているのであれば、180度転換すべきではある。しかし、その戦略自体、会社の経営陣を交え議論をしたものであり、成果があまり上がっていない戦略であっても、完全に間違えているケースはまず無いと考えてよい。重要なことは戦略は容易に転換すべきではなく、あくまで発展させることである。Biz−Launcherはいつ何時でも、これを肝に命じ。戦略を再起草すべきことである。勝利の鉄則は現状の優位点を生かすことであると思う。些少でも効果が出ている限り、その戦略が優位点である事に間違いない。

では、仮に戦略を転換しなければならないときがあるとすれば、そのタイミングはいつか?

答えは簡単である。

・戦略がマイナスの効果を出し始めることが見えてしまったとき
・かなりの市場シェアを取得してしまい、事業自体が成熟、行き詰ったとき

それ以外のケースでは、戦略の転換をする必要はほとんどなく、戦略の発展で乗り切るべきである。前述の通り、戦略の転換には、戦略収拾、戦略転換、戦略開始のためのロス(時間とお金)などの痛みが伴い、それ自体が大きな事業リスクになるからである。

次に、若干蛇足気味ではあるが、その発展のさせ方のエッセンスについて触れてみる。経験上、戦略の効果が出ていない原因は九分九厘会社の内部にあると思う。しかも、その原因のほとんどが非常に些細なことだったりするから手に負えない。(そもそも重大な原因であれば、会社の経営陣、管理職であればすぐに気が付くはずである)この些細なこととは経営陣にとって些細なことであり、社員(管理職・スタッフ)にとっては重要なことであることが多い。それは、ほとんどが私事であると思う。この些細な私事が連鎖して、会社の体力を奪い、戦略効果を鈍らせていることがほとんどである。

この些細な私事とは、「保身」、「出世競争」、「ねたみ」、「家庭に関する不安」、「恋人に関する不安」、「将来に関する漠然とした不安」、「生理的な相性の悪さ」・・などである。この些細な私事は多かれ少なかれどんな会社にも存在している。由々しきは、その些細な私事が連鎖して、マイナスのベクトルに向かった状態の時である。例えば、会社の幹部全員が保身にまわったりすれば、会社の新陳代謝は衰え、その会社の体力が奪われていくことは明白である。では、その些細な私事の連鎖を解き、戦略を順風に発展させるためのエッセンスは何か?答えは一つである。私事で凝り固まっているのであれば、経営者が会社と言う公的バイブルを元に名裁きを展開するしかないと思う。(ある程度の会社になれば、管理職も口がたつので、言い訳も上手になる。そんな管理職の尻尾をつかみ名裁きをすることは、非常に難しく経営者も苦労すると思うが)

若干取りとめがなくなり、申し訳ないが・・・。
結論づければ、ビジネスの成功においては、戦略の効果が出るまでじっくりと待ち、戦略発展の機をうかがうことが肝要である。Biz−Launcherの資質は企画力だけではない、事業隆盛のタイミングを図る見極めの力が必要なのである。

とまぁ、難しい言葉で書いてみましたが、事業隆盛のタイミングは市場に聞かないと分かりません。つまり、必要な「市場を見極める力」とは、顧客、パートナーを含めた市場全体に張り巡らされた情報網による情報収集能力です。顔が広く、市場から信頼されていることが、本当の意味で一番大事なのかもしれません。
市場を知っていれば、戦略も的を外れることもなく、戦略発展のタイミング、発展のさせかたなど、踏み誤ることはありません。



'05.01.30
にわたま

 この手の仕事には必ず「鶏か先か、卵が先か(以下:にわたま)」の話が出る。「もし、事例があったら、もっと売れるのに。でも売れていないから事例が出来ないんだよね。」的な議論のときに、「ホント、鶏か先か、卵が先かだよなぁ」などという発言が出ることもある。。Biz-Launcherの仕事は白紙で更地な場所から始める仕事が多いので、最初はいつもこんな[にわたま]な議論から始まる。ビジネスはお客様、パートナー、メーカー全て一つの市場で動いているので、全て関連性がある。ビジネスを上手くまわすためには、この顧客とパートナー(パートナーといってもいろいろな種類のパートナーがいる)とメーカーの3社が同時に動き出す必要がある。顧客もパートナーも主体性を持っており、メーカーの言う事なんかそうは聞いてくれない。更に立ち上げ当初なので予算なんかほとんど無い状態となれば、3者を同時に動かすなんて不可能に見えてしまうことも。

 日本のIT業界のベンチャー企業が成功する確率は「千三つ」とよく言われる。まぁ、成功するのは3%くらいということだ。ほとんどの会社が立ち上がらずに10年もたずに消えていく、もしくは飛ばないままの零細企業で終わってしまうらしい。実際に調べていないのでわからないが、ほとんどの失敗ケースの理由が、この「にわたま」な状況から脱せていないことのように思える。

今日はBiz-Launcherとして一番期待される部分であある「にわたまからの脱出」について書こうと思う。


[にわたま]な状態とは?

[にわたま]な状態とは、経営者や現場キーマンが製品が売れないことと、売れない理由しか理解していないので、その議論ばっかりが進み、明快なプランが出てこないまま会議に疲れて、仕事をした気分になり、問題が先送りになり、時間ばかりがたつ状態である。経営的には時間だけがたつことは、給与を社員に支払っている以上、資産の流出であり、これが続けば必ず倒産するような由々しき状態である。

 Biz-Launcherとして食べていくためには、こういう[にわたま]な時に事業を脱出させる能力が無くてはならない。それが出来ない様であれば、Biz-Launcherなんて必要ない。それが出来るからBiz-Launcherは時には救世主のように社員・市場に歓迎されることもあるし(失敗すればけちょんけちょんであるが)、給与も高い。

ではどうやれば「にわたま」な状態から脱出できるのか?

これは文章で説明するのが実は結構難しい。何故なら、その解法は本質的にはシンプルであるが、方法としては複雑だからである。そもそもBiz-Launcherが契約をする相手というのは、その市場で仕事をしている現場作業のプロであり、それなりの知識と経験があるのである。そういう現場作業のプロが見つけられない解法なので、解法自体は非常に複雑になっていることが多いのである。

解法とは?

解法は将棋の戦略のようなものである。将棋は最初の一手で勝負に勝利することは絶対無い。何手も打ちながら戦場形成を変化させ、局面を変え続け、勝利の打ち筋を確立するのである。解法におけるミソはまさにこの「何手も打ちながら戦場形成を変化させ、局面を変え続け」の部分である。将棋では、王手に行くまでに「王手ではない手」を何手も打つ。それは全て局面を有利にするための一手である。「にわたまの解法」もまさに、この部分が一番肝心である。

事業が成功するためにの重要なプランがあれば、そのプランが有効に実行できるための小さなプラン(将棋で言うところの局面を有利にするための一手)を同時に創造できることが「にわたまな状態」から脱出するためには非常に大事である。一般的に「にわたまな状態」陥りがちなのは、「事業が成功するためにの重要なプラン」があっても、市場の状況にマッチしていないので、成功しにくく見えてしまい、議論と事業運営が堂々巡りになってしまうからである。その際に、「事業が成功するためにの重要なプラン」が有効に働くための「お膳立てプラン」のような小プランもできていれば、事業は「にわたま」から脱出できる案を実行できるようになるのである。

しかし・・。その「お膳立てプラン」が1段階ですめば、かなりシンプルであるが、実際にはもっと複雑で、本プランを実行するまでの「お膳立てプラン」が3段階くらいあることがほとんどである。更にその本プランも何個もあるのが普通なので、シナリオ自体は非常に複雑であり、5手も10手も先を読んだシナリオつくりが必要となる。仕事として請け負えば、当然そのシナリオの明文化が必要である。しっかり作れば、その長さは相当な長文になるのは間違いない。以前、某一部上場企業に新事業の立ち上げのシナリオを書いた時は企画書の枚数が販売戦略だけで100ページ近くになった。市場がこうなったら、こういうプランを開始し、中間結果Aのときはプランを維持、中間結果Bの時はさらにプランを追加する・・といったシナリオである。将棋の名人の思考回路を明文化するようなものなので、しっかりまとめないと、100ページではすまなくなる。

ちなみに、この100ページであるが、構成的には延べたんの文章ではない。大体下記のような構成になる。

1.1-3枚の戦略概要資料
2.1枚の全体スケジュール
3.5枚程度の中期予算案
4.各10-20ページくらいの本プラン資料
5.参考市場データ集

ちなみに、上記は参考資料も含めたフルフルのシナリオ資料である。出資者を募るためや、事業を請け負う場合の提出資料は1、2が中心であり肝である。

簡単にしか説明できなかったが、「にわたまの解法」のイメージはできたであろうか?
一言で言えば、「事業効果が高い本プランを実行するための戦略局面を有利にするプランが解法」である。

この解法はBiz−Launcherによってもまちまちである。契約者の意向に沿う状態にする戦略であれば、どんな方法でもありである。Biz−Launcherの歩む前は常に白紙である。その白紙に絵を書くのがBiz−Launcherの仕事だからである。白紙だからこそ、Biz−Launcherのセンスによって結果に大きな差が出る。本当に厳しい世界である。

今日は解法の話をしたが、実はもう一つ肝心なことがある。それは「圧倒的な実行力」である。常に変化をしている実際の市場で、自分に有利な局面を作り上げるためには、複数の顧客、複数のパートナーに対して同時に手を打つ必要がある。一手一手打っていれば、打っているそばから市場は違う形に変わってしまう。だから、同時に何手も打つことが出来る「圧倒的な実行力」が必須であることはいうまでも無い。

最後に苦労話を一つ。
本当に駆け出しのころは、良くシナリオを盗まれたものだ。
クライアントに口頭で説明すると「あなたの実力を見たいのでちょっとシナリオを作ってみて?」などといわれて、若いこともあって一生懸命ものすごいシナリオを作って持っていく。するとクライアントは「この企画は盗むわ。企画は良いけど未熟なあなたじゃ役不足。この企画は私の右腕にやらせるわ」といい、そのクライアント(某一部上場企業の社長)は本当にその企画の会社を作った。(前述の例で出てきた一部上場企業とは別です)その企画の会社は年商30億円になったそうだ。

「なんで訴えないの?」という言葉が聞こえてきそうである。
しかし訴えることは出来ない。何故なら、その企画をその社長が盗むことを私が許可したからである。

「盗む?私抜きで成功できる自信があるのだったら、盗んで良いですよ」

若かったなぁ。少しでもお金をもらっておけばよかったかも。でも、その気概があったからこそ、今もやっていけるのだと思う。その一部上場企業の社長に対して、何の後ろ盾も無いBiz-Launcher一匹がコネなし、飛び込みでアポをとるべく、簡単な資料を宅急便で送りつけたのが、そもそものきっかけであったので、最終的に企画は盗まれたけど、どこと無く痛快な気分だった。企画がよければ、どんなに偉い人間でも会ってくれるし、話を聞いてくれると証明した瞬間でもあり、その時の気持ちはかけがえの無い宝物になったと思う。




'05.01.09
Biz-Launcherとは

 日記の書き初めとして、まずBiz-Launcherを説明する事にする。

 Biz-Launcherとは立ち上げ時期を専門とする仕掛け人である。新しいテクノロジー、新しいソフトウェアが日本でラウンチする際、そして現存のソフトウェア、事業・企業を再出発させる際の事業・企業・市場のビジネスモデルを設計し、事業立ち上げの運営を行う職務である。この職務に求められるのは、マーケティングのみならず、営業、法務、場合によっては総務的なことなどアウトバンド系+管理系の職務ノウハウ全般となる。なぜなら、立ち上げの際は十分なリソースがなく、一人で何役もこなさなければいけないことが多いからである。しかしながら、一人一人に割り振られた時間は1日24時間と決まっており、実際に一人で何人分もの時間を費やし仕事を行う事は不可能である。つまり、この職務は幅広い能力が身に付くだけではなく、限られた時間を有効活用するための術を身に付ける事が出来る職務でもあるということが言える。この能力はどんな局面でも何をすればよいかを明確に理解したうえで、最適手を打てると言う事であり、経営者、事業責任者として重要な能力となる。

 ここまでのお話であれば、一般企業の企画担当やベンチャー企業の社長の範疇に含まれるのであるが、Biz−Launcherは、それらの職務とは少々違う。Biz−Launcherはあくまで「立ち上げ屋」であるため、請け負う仕事と契約期間がリンクしている事がほとんどであるところが違うのである。つまり、プロとして成果をキッチリに残すのは当たり前で、契約終了後、つまり自分自身が居なくなっても成果を上げ続けることができるシステムを残す事が求められる。これは自分流のやり方で成果をあげることよりもはるかに難しい。自分からバトンを受け取る人間が仕事をしやすいシステムを残す事まで含んで成果を求められる。これこそまさにプロの仕事である。仕事の依頼のされ方も、自分の仕事の終了時期と終了時の状況を細かく指定されている事が多い。

 パパはこういうシビアな仕事が好きであるし、依頼のされ方も「2年間で、ビジネスをこの状態までもっていって欲しい。報酬は○○○○万円である」的な玄人っぽく、パパ好み。仕事人的な雰囲気が好きなパパがこの世界にはまった事は言うまでもない。

 ちなみに、報酬であるが、ビジネスの目標・投資規模と、実現までの期間、難易度によって報酬が決まる。契約金を提示される事も多い。契約金は数百万円から1千万円を超えることもある。リスクが多い分、また社員契約ではなく、福利厚生がない業務委託契約がほとんどであるため、報酬的には通常の社員契約より高いのは当然である。

 「能力は身に付くし、報酬も高そうだ!」ということで、魅力的な仕事に見えるが、実際には厳しい仕事である。この仕事は実績が全てである。だれもがビジネスを成功させたいので、実績があるBiz-Launcherに依頼をしたいのである。よって、エース級のBiz-Launcherには良い仕事がドンドン回ってくるが、駆け出しのBiz-Launcherには良い条件の仕事は回ってこない。エース級のBiz-Launcherが手をつけない危険な仕事(成功する確率が低い仕事)しか、駆け出しには回ってこないのである。しかし、危険な仕事でも、仕事をしなければ実績・信頼は得られないので、駆け出しのBiz-Launcherは危険を承知で受けるしかないのである。失敗すれば次から仕事は来なくなるので、転業に追い込まれることもある。駆け出しのBiz-Launcherが下す仕事請負の判断は厳しく重い。しかし、そこから始めるしか道は無いのである。

 パパも最初に請けていた仕事は、諸先輩方から「絶対失敗するから止めた方が良い。」と上手く行かない理由をたくさん並べられたような仕事であった。しかし、その仕事が運と周りの方々に恵まれ、奇跡的な成果を収めてしまう。誰もが上手く行かないと言われた仕事が、2年間連続で200%近い成長率で伸びてしまったり、加盟者数で年間で4000人を集めたり・・。それはこの仕事で生涯食べていく事が決まった瞬間でもあり、パパの仕事人生を大きく変えた瞬間でもあった。仕事が厳しければ厳しいほど、成功したときの実績は高く評価される。その評価が次チャンスを産むのである。最初の成功が本当に重要だとパパは思う。この成功の秘訣に関してはおいおい触れていこうと思う。

この仕事は成功すれば、これほど面白い仕事はない。一つの市場、会社、事業が立ち上がり、そこに所属している人、関連している人の家族を養う原動力を作り上げる事が出来るのである。これは、価値がある仕事である。さらに、新しい世界を切り開く仕事であるため、インターネット・メディア、雑誌、新聞に取り上げられる事も多い。(ヒット商品の企画者たちという内容のハードカバーの本にキリンの生茶やソニーのアイボの企画者と並んでパパのインタビューが20ページにわたって記載された事は駆け出しだったパパにとって本当に嬉しかったです。←自慢です!)目立ちたがり屋で大きな仕事をやり遂げたいパパにとって、本当に魅力がある仕事である。

新しい世界を切り拓きたい人、名前を売りたい人、大金を手にしたい人にとっては、とても魅力がある職種ではある。パパはこの世界で10年近く働いている。その経験の中で思うが、この世界で成功するためには努力だけではダメである。努力をするのは当たり前で、その上で才能がある人しか成功はしないように思える。

その才能とは何か?

その才能は、対象となるビジネスの現状と、目標地点を聞いただけで、実現までのロジックとステップごとの状況を詳細までイメージが湧く才能であり、苦境な状況に直面しても動じず冷静な判断が出来る才能。(腹の据わり方)そして、状況が悪くても最後の最後まで道を模索でき、一手を打てる才能。(腹をくくれる才能)

この才能を持っていないとどうなるか?

全体の状況や状況が変わったときの状況が見えず、小さな事に引っかかってしまい、大局が見えなく事業が発展しなくなる事がある。ちなみにこの小事と大事の違いは何か? ビジネスの大きさ?パートナー企業の大きさ? 両方とも違う。小事と大事の違いは、一手が与える影響度の大きさである。指先ほどの小事に見える一手であっても、その一手が影響し、まるでつっかえ棒が外れて転がりだすように大きな影響を与える一手は大事である。影響が小さい手を小事というのである。

この見極めは非常に難しく、同じ一手であっても状況によって小事になったり大事になったりする。

最後にもう一つ大事な才能がある。
それは「器」である。
市場を動かす事が出来るだけの度量が必要な局面がある。
どんなに良い一手を編み出してもその一手を指す役者によって成果は違う。

今日はこの辺でとめておくが、興味がある方、Biz-Launcherを志している方が居れば、是非ご連絡ください。出来る限り力になりたいと考えています。


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