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OpenSourceGuide
2006/11/30-2007/9/30

オープンソースが支える次のITビジネス


大きく進化したオープンソース

オープンソースの代表格であるLinux(リナックス)が日本に上陸してから、10年がたちました。そしてこの10年間に、オープンソースを取り巻く状況は大きく変わったのです。 まず、Linux自体も大きく変わりました。 10年前のLinuxはというと、UnixやWindowsサーバなどの当時主流だったOSと比較して、パフォーマンスが悪く負荷がかかると処理スピードが伸びなかったり、バックアップや冗長化などの点で機能性に欠けていることから、よく「おもちゃ」とか「趣味のOS」と揶揄をこめて言われていました。 確かにその品質の悪さや機能の少なさからすれば「おもちゃ」「趣味のもの」と言われてもしかたがなかったのかもしれません。控えめに言っても、当時のLinuxは「手軽に遊べるOS」といった程度でした。 事実、約10年前に私が某Linuxベンダーでマーケティングをしていたときは、Linuxの市場を「ホビー市場」と「ビジネス市場」にわけて説明していたほどです。そのような状況でしたので、当時、Linux関係のイベントで、私は「次のバージョンでは、いよいよビジネスで使えるLinuxが登場します!」などと演説していました。 当時は、Linuxに対する期待感が高い反面、なかなか法人企業での使用が少なかったため、Linuxが企業で採用されること自体がニュースになり、コンピューター誌で事例として扱われるような時代だったのです。 あれから10年が経ちました。 オープンソースのソフトウェアは、全世界で12万本を超えています。全世界のコンピューターの、5台に1台の割合でLinuxが稼動しています。いまや、Linuxを使用していない企業を探すほうが難しい時代なのです。

10年間がオープンソースをこう変えた!

約10年前の市場データと今の市場データを比べて、もっとも大きく変貌をとげたのはオープンソースのアプリケーションとサポートの2箇所に集約されます。 10年前、オープンソースが採用に値しない理由としてあげられていたのは、 1)人材不足 2)サポート不足 3)アプリケーション不足 の3点でした。 10年前、ある調査会社が行った調査によれば、この3点の問題について「そう感じる」と回答した企業の情報システム部門担当者は、過半数を超えていました。 しかし、現在では、1)人材不足については 63.5%が「そう感じる」と答えているものの、 2)のサポート不足18.3%、3)アプリケーション不足16.1%となりました。このデータは、オープンソースが、サポートの充実とアプリケーション供給において大幅に改善されたことを示しています。(出典:Linux/オープンソース白書2006) とくにアプリケーション供給の改善については、単純にアプリケーションの数が増えただけではなく、品質も大幅に向上し、“使えるアプリケーション”が増えたことが不満の激減につながったと言えるでしょう。 事実、オープンソースソフトウェアの中でも、OSやデータベース、ウェブ・アプリケーション・サーバーの分野において、多くの企業が利用している大手のメジャー・ソフトウェアよりも欠陥率(ソフトウェアのバグ率)が低いものも出てきています。そのデータからもオープンソースの品質の高さが裏付けられています。

オープンソースが商用メジャーソフトを超えた!?

まずは、以下のデータを見て見ましょう。 オープンソースを良く知らない方は、「オープンソースのソフトウェアは品質が悪く、商用のソフトウェアのほうが品質が高い」と決めつけているのではないでしょうか?しかし、現在は必ずしもそうとはいえないでしょう。まずは、以下のデータを見て見ましょう。

資料:ソフトウェアの欠陥率比較

(出典:2003/02 米Reasoning社)

このデータはオープンソースのOSであるLinuxのTCP/IP部分と、アプリケーションサーバー「Apache(アパッチ)」、データベース「MySQL(マイエスキューエル)」を代表的な商用ソフトウェアとの欠陥率を比べたものです。ここで比較対象となった商用ソフトウェアは、著名な某OS、某データベース、某アプリケーションサーバーです。表を見れば、その欠陥率はほぼ同等以下もしくは約6倍以上の欠陥率の差があることがわかります。特にMySQLはサーバー普及率世界No1データベースになっただけはあります。興味がある方は是非原文のほうもご覧ください。 もちろん、すべてのオープンソースの品質が良いとは限りません。しかし、オープンソースの中に、メジャー・ソフトウェアに太刀打ちできる性能・品質のものが出てきたことは間違いありません。

オープンソースの台頭がITビジネスを変える?

過去の記事、「IT業界地図を変えるオープンソース動向(1)」、「IT業界地図を変えるオープンソース動向(2)」でも触れたように、データベースのパフォーマンスは向上し、汎用機の技術応用によって安定性は向上してきています。そして、基幹業務系のソリューションが登場してきたり、またオープンソースベンダーによるサポートが強化されてきたりなど、数年前にオープンソースの「欠点」といわれてきたことが、着々と払拭されてきています。 また、オープンソースを採用している企業の情報システムを見ても、1案件で億の単位を越えるシステム規模のものも珍しくなくなってきました。 「オープンソースの普及とその理由」の記事でもふれたように、携帯電話、デジタル家電など、日常生活に密着した機器にも普及しています。また、大手ガソリンスタンドチェーン店の店舗管理システム、大手ファミリーレストランの情報端末、大手ポータルに大手モールなど、私たちの生活基盤にも、気づかないようなところにまで広く採用されているのです。 さらに、IT業界全体も「SaaS(サース)」のように情報システムを月額の利用量によってお客様に請求するサービス形式での提供方法が主流になってきています。ライセンス費用が発生しないオープンソースは、SaaS提供事業者の事業運営コストを低減できるという理由で非常に有望視されています。

全額前払いの時代から、使った分だけ料金を払う時代へ

これまで、企業は自社が使用するソフトウェアをシステム会社に見積りを依頼し、自社のためのオーダーメイドな情報システムを利用していきました。 この形態では、情報システム利用者がシステムを少なくとも3年から5年程度の長期間使うことを前提に、多額の費用を支払わなければなりません。 そして、利用者のビジネスが変われば、情報システムも変更しなくてはならなくなります。結果として、そのたびに利用者が更なるシステム改修費用を支払い、情報システムを改修してもらって、使用し続けることになります。 情報システムが月額の利用金額にてサービス提供され、かつ、その機能も多岐にわたって提供されはじめたら、どうなるでしょうか? 多くの情報システム利用者は、自身にあったサービスを選択し、多額の情報システム構築費用を支払うことなく、安価な月額費用のみを支払うことで、情報システムを利用できるようになるでしょう。 つまり、企業が負担するコストは大幅に軽減されるのです。 この「情報システムのサービスによる提供」は、サービスの種類が多くなり、サービス利用者の利用選択肢が多くなれば、より普及しやすくなります。 その成功の鍵が「オープンソース」です。 オープンソースはライセンス費用が発生しないため、情報システムのサービス提供会社は低コストでサービスを提供できるようになるからです。 「サービスによるITの提供」が本当にオープンソースを基盤に実現されるのか? また、それはどのようなメリットを市場に提供するのか? ……それらの興味・疑問については、今後、オープンソースやSaaSをベースにしたITサービスをご紹介してお答えしていきます。そこにはきっと、ITビジネスの将来像があるはずです。 一般論ですが、物事はより多くの人々が携われば携わるほど、進化し、その世界は長く続きます。世界中の技術者が集まり、開発を続けるオープンソースは今後も10年以上続く仕組みになるはずです。



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